2025年のLPGAメジャー初戦「 シェブロン選手権 」は、息詰まる展開の末、日本の西郷真央選手が栄冠を手にしました。最終日、5人によるプレーオフという劇的な状況を乗り越え、自身初のLPGAツアー優勝をメジャータイトルという最高の形で飾りました。
劇的な最終日：5人のプレーオフへ
テキサス州ザ・クラブ・アット・カールトン・ウッズを舞台に行われた今大会。西郷選手は首位タイで最終日をスタートしましたが、プレッシャーからかボギーが先行する苦しい展開。しかし、上がり18番パー5で見事なバーディを奪い、通算7アンダーでホールアウト。この時点で、キム・ヒョージュ選手（韓国）、イン・ルオニン選手（中国）、アリヤ・ジュタヌガーン選手（タイ）、リンディ・ダンカン選手（米国）と並び、勝負は5人によるプレーオフへともつれ込みました。
特に、最終ラウンドの多くをリードしていたジュタヌガーン選手は、正規の18番で3打目を目前にダフる痛恨のミス。このホールをボギーとし、単独優勝の機会を逃す結果となりました。各選手がそれぞれのドラマを抱え、プレーオフに臨むことになったのです。
運命のプレーオフ：勝負を決めた一打
プレーオフは18番ホールで行われました。5人のうち、まずダンカン選手がボギー。残る4人の戦いとなります。イン・ルオニン選手、ジュタヌガーン選手のバーディパットは惜しくもカップに嫌われます。
A historic Sunday for Mao Saigo 🏆✨@Chevron_Golf pic.twitter.com/ylb2kGxlP9
— LPGA (@LPGA) April 28, 2025
そして迎えた西郷選手のバーディチャンス。カップまで約90センチのパット。「緊張で震えていた」と語る西郷選手でしたが、見事にこれを沈め、決着。プレーオフ1ホール目にして、メジャータイトルを手繰り寄せました。
「落ち着こうと最善を尽くして打ちました。入ってくれた」と、通訳を介して安堵の表情を見せました。
西郷真央、LPGAツアー初優勝とメジャー制覇の意義
23歳の西郷選手にとって、これはLPGAツアー初優勝であると同時に、メジャー初制覇という快挙です。昨シーズン（2024年）はLPGAルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きながらも、CPKC女子オープンやビュイックLPGA上海で2位に終わるなど、あと一歩で勝利を逃す悔しさを経験していました。
「昨年は本当に厳しい戦いでした。とても惜しいところまで行きましたが、勝つことができませんでした。非常に残念でした。今年、LPGAのタイトルを獲得できて、非常に興奮しています」と語り、喜びを噛みしめました。
👋 Hey Mao! 👋 #LPGAWinnerSelfie pic.twitter.com/4SZ5aOvrg3
— LPGA (@LPGA) April 28, 2025
日本人選手としては、樋口久子、渋野日向子、笹生優花、畑岡奈紗に次ぐ5人目のメジャーチャンピオン誕生となります。また、シェブロン選手権（前身大会含む）での日本人優勝は初めてです。
西郷真央選手 シェブロン選手権2025 主な記録
| 項目 | 内容 |
| 優勝者 | 西郷 真央 (Mao Saigo) |
| 大会名 | シェブロン選手権 2025 |
| 最終スコア | -7 (281) |
| プレーオフ参加者 | 西郷真央, キム・ヒョージュ, イン・ルオニン, アリヤ・ジュタヌガーン, リンディ・ダンカン |
| 優勝賞金 | 120万ドル (約1億7200万円 ※1ドル143.37円換算) |
| 主な達成 | LPGAツアー初優勝、メジャー初制覇 |
| その他 | 日本人選手として5人目のメジャー制覇 |
| 会場 | ザ・クラブ・アット・カールトン・ウッズ (テキサス州) |
勝利の儀式と各選手の反応
優勝者は18番グリーン脇の池（テキサスでは通称”Poppie’s Pond”ではないが同様の池）に飛び込むのが恒例となっており、西郷選手もチームメンバーと共に祝福のダイブを披露しました。しかし、「あまり泳ぎが得意ではないので、入ったら深くて、最初は溺れるかと思った」と、少しヒヤリとした体験だったことも明かしています。
A magic moment for Mao ✨🏆 pic.twitter.com/lkfFi8Ek4N
— LPGA (@LPGA) April 28, 2025
惜しくも敗れた34歳のダンカン選手は、LPGAツアー初優勝はなりませんでしたが、「メジャーでトップ5に入れたこと、優勝争いのチャンスがあったこと、ナーバスさを感じられたことは素晴らしい経験。学ぶべき点もあるけれど、素晴らしい一週間だった」と前向きに振り返りました。
ゴルフ用品・ウェア
一方、昨年大会覇者で世界ランキング1位のネリー・コルダ選手は、今季初勝利とはならず通算2アンダーの14位タイ。「もちろん、取り組むべきことはたくさんある。昨年は昨年。素晴らしい年だったけど過去のこと。将来には役立たない」と、次を見据えていました。
西郷選手のメジャー制覇は、昨年の悔しさをバネにした努力が実を結んだ結果であり、日本のゴルフ界にとっても明るいニュースとなりました。今後のさらなる活躍に期待が集まります。
