ゴルフファンが固唾をのんで見守った2024年のシェブロン・チャンピオンシップ。そこで、日本の西郷真央選手がLPGAツアー及びメジャー初優勝という、輝かしい勝利を手にしました。優勝が決まった直後のインタビューでは、溢れる涙とともに、喜びとこれまでの道のりへの深い思いが語られました。この記事では、その感動の瞬間と言葉、そして彼女の歩んできた道のりをお伝えします。

息詰まるプレイオフ、劇的な決着
最終日、首位タイでスタートした西郷選手。厳しいコースセッティングとプレッシャーの中、スコアを落とす場面もありましたが、持ち前の粘り強さで食らいつきます。そして迎えた最終18番ホール。見事バーディを奪い返し、勝負はなんとLPGAメジャー史上最多タイとなる5人でのプレイオフへ。誰もが息をのむ展開の中、プレイオフ1ホール目。西郷選手は、まるでピンに吸い寄せられるかのようなアプローチを見せ、冷静にバーディパットを沈めました。劇的な瞬間、彼女にとって初めてのメジャータイトル獲得が決まりました。
2024 シェブロン・チャンピオンシップ 最終結果
順位 | 選手名 | スコア |
優勝 | 西郷 真央 | -7 * |
2位T | Hyo Joo Kim | -7 |
2位T | Ruoning Yin | -7 |
2位T | Ariya Jutanugarn | -7 |
2位T | Lindy Duncan | -7 |
* 5人によるプレイオフの結果
涙で語られた「諦めずにやってきてよかった」
グリーンサイドで行われた優勝インタビュー。西郷選手は込み上げる感情を抑えきれず、涙を流しながら喜びを表現しました。
「もう…夢にまで見たメジャー優勝なので、今でも信じられないです。本当にうれしいです」
あのウィニングパットの瞬間については、
「手が震えるどころか全身が震えて、今もそれが残っていて…」
と、極度の緊張感の中で掴んだ勝利の重みを語りました。
そして、これまでのゴルフ人生を振り返り、
「本当に、諦めずにやってきてよかったなって思います」
と、安堵の表情とともに、一言一言かみしめるように話す姿が印象的でした。

悔しさをバネに掴んだ栄冠
2022年には国内ツアーでシーズン5勝を挙げるなど、輝かしい実績を持つ西郷選手。しかしその裏で、優勝まであと一歩届かず、悔し涙を流した試合も少なくありませんでした。特に2023年シーズンは、本人も「勝ちきれない試合が続いた」と語るように、もどかしい時期を過ごしました。インタビューでは、その経験を踏まえ、
「勝ちたい試合で勝てなかったりとか、すごい悔しい思いもしたんですけど、こうやって大きな大会で、メジャーという形で初優勝をあげることができて、本当にうれしいです」
と、過去の経験があったからこその、メジャータイトルへの特別な喜びを語りました。この勝利は、樋口久子、渋野日向子、笹生優花、畑岡奈紗に続く、日本女子として5人目のメジャー制覇という歴史的な快挙でもあります。
西郷真央選手の素顔とこれから
西郷 真央 (さいごう まお)
項目 | 詳細 |
生年月日 | 2001年10月8日 |
出身地 | 千葉県船橋市 |
身長/体重 | 158.5cm / 57kg |
プロ転向 | 2020年 (JLPGA92期生) |
所属 | 島津製作所 |
主な戦績 | LPGAツアー 1勝 (メジャー1勝) <br> JLPGAツアー 6勝 |
ゴルフの特徴 | 正確無比なショットメーカー |
愛称 | せごどん (師匠の尾崎将司氏が命名) |
5歳からクラブを握り、ジュニア時代からレジェンド・ジャンボ尾崎氏の指導を受けてきました。2019年には日本女子アマチュア選手権で頂点に立ち、同年のプロテストに一発合格。2022年の国内ツアーでの大活躍を経て、LPGAツアー本格参戦2年目となる2024年、ついに世界の頂点に立ちました。
インタビューの最後、恒例の池へのダイブについて聞かれると、
「(池へのダイブは)チームみんなで一緒に飛び込みたいです」
と、満面の笑顔で答え、苦楽を共にしてきたチームへの感謝の気持ちを表しました。
涙の先に掴んだ大きな自信とタイトル。これを糧に、西郷選手の新たな挑戦がここから始まります。彼女のゴルフが、これからどんな素晴らしい物語を描いていくのか、楽しみに見守りたいですね。
このインタビューの後に歓喜の池田イブを披露してくれました✨
The Leap of a Champion 🏆 pic.twitter.com/K4gXlzerd6
— LPGA (@LPGA) April 27, 2025