
世界ランキング1位、そして前年覇者としてLPGAメジャー初戦「シェブロン選手権」の舞台に立ったネリー・コルダ。多くのゴルフファンが彼女のタイトル防衛に期待を寄せていました。しかし、大会初日は彼女にとって、そして見守る人々にとっても、予想外の厳しい展開となりました。ディフェンディングチャンピオンが直面した状況を詳しく見ていきましょう。
重苦しい立ち上がり、まさかの4連続ボギー
現地時間木曜日(2025年4月24日)、テキサス州のカールトンウッズクラブ。コルダは得意とする午前中のティーオフでしたが、コース上で思うようなプレーをさせてもらえませんでした。インスタートの11番ホールから、まさかの4ホール連続ボギー。早い段階でリズムを崩し、苦しい流れを断ち切ることができません。
この日バーディを記録したのは後半8番(パー5)の一つだけ。最終的なスコアは5オーバーの「77」となり、ホールアウト時点では首位と12打差、予選通過の暫定ラインからも4打及ばない位置でのフィニッシュとなりました。これは今季の彼女にとってワーストスコアであり、ショットの精度不足がスコアに直結したと言えます。

初日のスタッツが物語る苦戦
項目 | 結果 | 意味合い |
スコア | 77 (+5) | 首位と12打差、予選通過圏外からのスタート |
バーディ数 | 1 | チャンスメイクが少なく、スコアを伸ばせなかった |
ボギー数 | 6 | ミスがスコアに繋がり、耐えるゴルフができなかった |
パット数 | 33 | グリーン上でも苦しみ、流れを引き寄せられず |
フェアウェイキープ率 | 8/14 (57%) | ティショットが安定せず、難しいライが多かった |
パーオン率 | 11/18 (61%) | グリーンを捉えるショットの精度にも課題 |
「ゴルフが難しかった」女王が漏らした本音
ラウンド後、メディアの前に姿を見せたコルダは、明らかに落胆の色を浮かべていました。涙をこらえているようにも見える表情で、「練習するしかないですね。ショットが良くなかった。本当に、それだけです」と、言葉少なに語りました。この日の最大の困難は何かという問いには、シンプルに「ゴルフ」と一言。この短い言葉に、世界トッププロであっても時に直面する、ゴルフというスポーツの難しさと、この日の彼女の苦悩が表れていました。
Too smooth from defending champion @NellyKorda 😮💨 #SloMo pic.twitter.com/AqFAzqX47p
— LPGA (@LPGA) April 24, 2025
今季はトップ10入り2回と安定した成績を残していただけに、この日のスコアは多くの関係者にとって予想外のものでした。
パットとショット、両面に課題
スコアを落とした要因は、グリーン上だけではありませんでした。先週からブレード型のパターをテストしていましたが、この日は33パットと、効果を発揮したとは言い難い結果に。ラウンド後には、以前使用していたマレット型パターを手に練習グリーンに向かったとの報道もあり、パッティングに関して試行錯誤が続いている様子がうかがえます。
さらに、彼女の強みであるショットの精度も影を潜めました。フェアウェイキープ率は57%、パーオン率も61%と、彼女のレベルを考えると低い数字です。ティーショットからグリーンに至るまで、全体的に本来の安定感を欠いたプレーとなりました。
ファンへの気遣いは忘れずに、しかし表情は硬く
厳しいラウンド内容にも関わらず、コルダはホールアウト後、サインや写真撮影を待つ子供たちのために時間を割きました。集まったファン一人ひとりに丁寧に対応し、写真撮影では笑顔を見せようと努めていましたが、その表情からは悔しさが拭えませんでした。生後2ヶ月半の双子の赤ちゃんのパジャマにサインするなど、ファンを大切にする姿勢は一貫しています。
しかし、フィールド全体では多くの選手が好スコアをマークしており、予選通過ラインは厳しいレベルになることが予想されます。コルダが週末にプレーするためには、2日目に大幅なスコア改善が求められます。
世界女王としての意地と実力を発揮し、この状況から巻き返すことができるのか。2日目の彼女のパフォーマンスが注目されます。