
近年、ゴルフ場における鳥害、特にカラスによる被害は深刻な問題となっています。グリーンの芝生を荒らしたり、プレイヤーのボールをくわえて持ち去ってしまうなど、コース管理者やゴルファーにとって悩みの種です。そんな鳥害対策に新たな風を吹き込む技術として、NTTイードローンが開発した 鳥獣害対策ドローン が注目を集めています。
鳥害によるゴルフ場への影響
カラスをはじめとする鳥類は、ゴルフ場にとって様々な問題を引き起こします。グリーンの芝生を剥がして巣作りの材料にしたり、エサを探して芝生を荒らすことで、コースの美観やプレーヤーの安全を脅かすことがあります。また、ボールを他のプレイヤーのものと勘違いして持ち去ってしまうケースも少なくなく、紛失球の原因の一つとなっています。これらの鳥害は、コース管理の手間を増やし、プレーヤーの満足度を低下させる要因となっています。
レーザーの鳥獣忌避効果でコースを守る

NTTイードローンが開発した鳥獣害対策ドローンは、鳥獣が嫌がるレーザー光を照射する「クルナムーブ」を搭載。このレーザーは鳥類の視覚に影響を与えることなく、不快感を与えることで忌避効果を発揮します。ドローンに搭載することで広範囲をカバーできるため、ゴルフ場全体の鳥害対策に効果的です。従来の対策では、広大なゴルフコース全体をカバーすることが難しく、効果も限定的でした。このドローンは、そうした課題を解決する可能性を秘めています。
実証実験で効果検証、ゴルフ場への導入に期待

この鳥獣害対策ドローンは、神奈川県の「ドローン実証実験支援事業」に採択され、実証実験が行われる予定です。ゴルフ場でのカラス被害対策への効果検証も含まれており、その結果に期待が高まっています。実証実験を通じて効果と安全性が確認されれば、ゴルフ場への導入が進むことが予想されます。
農業WEEKで最新ドローンを公開!

2024年10月9日から11日まで幕張メッセで開催される農業WEEKにて、この鳥獣害対策ドローンが展示されます。農業関係者だけでなく、ゴルフ場関係者にとっても、最新の鳥害対策技術に触れる絶好の機会となるでしょう。
ドローンが拓くゴルフ場の未来
鳥害対策は、ゴルフ場のコース管理において重要な課題です。NTTイードローンの鳥獣害対策ドローンは、従来の対策では難しかった広範囲への効果的な鳥害対策を実現する可能性を秘めています。実証実験の結果や今後の展開に注目し、ゴルフ場の未来を見守っていきましょう。