灰色の空の下、容赦なく吹き荒れる強風。リンクスコース特有の試練が選手たちを苦しめる中、今年も全英オープンの戦いが繰り広げられています。
予選ラウンドを終え、日本からただ一人、松山英樹選手が決勝ラウンドへと駒を進めました。苦しい戦いを強いられる中で見せた、彼の粘り強さ。そこには、決勝ラウンドへの期待とともに、私たちに感動を与える“希望の光”が確かに存在していました。
試練の幕開け、強風とラフに苦しむ展開
2日間の予選ラウンドは、まさにサバイバルレースといった様相でした。初日から続く強風は勢いを増し、正確なショットと状況判断が選手たちのスコアを大きく左右します。
松山選手も、この過酷なコンディションに苦戦を強いられます。初日は4オーバー82位と出遅れ、予選通過へ向けて、厳しい状況からのスタートとなりました。
Chapter Two – The Cut pic.twitter.com/MDGvHzaBM6
— The Open (@TheOpen) July 19, 2024
2日目に見せた粘り腰!土壇場で光る勝負強さ
逆転での決勝ラウンド進出を目指す2日目。松山選手は、パー5の4番ホールで見事2オンに成功し、バーディーを奪います。
しかし、試練は続きます。続く5番ホールでパーパットを外しボギーとすると、後半に入っても強風は収まらず、12番ホールでもボギーを叩いてしまいます。
それでも、松山選手は諦めません。持ち前の精神力の強さで、ショットの精度を落とさず、終盤はパーセーブを続けます。
そして迎えた最終ホール。カットラインが気になる状況の中、松山選手は冷静にパーパットを沈め、2日間の戦いを終えました。
結果は、1バーディー、2ボギーの72。通算5オーバーの54位で、見事決勝ラウンド進出を決めたのです。
他の日本勢は力及ばず…
一方、他の日本勢は、この試練の壁を乗り越えることができませんでした。
初日を31位と好スタートを切った川村昌弘選手は、2日目にスコアを大きく落とし、無念の予選落ち。桂川有人選手も、カットラインまであと一歩届かず、大会を終えることとなりました。
その他、久常涼選手、星野陸也選手、木下稜介選手、中島啓太選手、岩崎亜久竜選手も決勝ラウンド進出はなりませんでした。
決勝ラウンドへ、松山選手が見据える景色
決勝ラウンドに進出した松山選手は、一体どんな景色を見据えているのでしょうか?
2019年大会覇者であるシェーン・ローリー選手が、通算7アンダーで単独首位に立っています。2位には、ジャスティン・ローズ選手とダニエル・ブラウン選手がつけており、混戦模様です。
決して楽観視できる状況ではありませんが、松山選手であれば、きっとやってくれるはずです。彼の粘り強さと、逆境に立ち向かう不屈の精神があれば、必ず上位進出、そして優勝争いも夢ではないでしょう。
全英オープンの舞台で、再び輝きを放つ瞬間を、私たちは楽しみにしています。