千葉の青空の下、熱気と静寂が交錯した カメリアヒルズカントリークラブ。JLPGAツアー最高額の賞金を誇る「 アース・モンダミンカップ 」は、22歳の若き才能、佐久間朱莉選手の逆転優勝で幕を閉じました。今季3勝目、そして3ヶ月連続の優勝という快挙。しかし、その結果以上に私たちの心を捉えたのは、彼女が見せた静かなる強さと、その裏側にある確かな進化でした。

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最終日に見せた「新・佐久間朱莉」の姿
首位と1打差でスタートした最終日。序盤はボギーが先行する苦しい展開でした。一時は首位と3打差まで開く場面もあり、これまでの彼女であれば焦りが見えてもおかしくない状況です。しかし、今の彼女は違いました。

「自分のプレーに集中すればチャンスがくる」。
その言葉通り、周囲のスコアに惑わされることなく、淡々と自分のゴルフを貫く姿は、まるで経験豊富なベテランのよう。今季2勝を積み重ねたことで得られた自信が、彼女を精神的に一回りも二回りも大きく成長させていたのです。
最終的な結果は以下の通り、熾烈な争いであったことがうかがえます。
順位 | スコア | 選手名 |
優勝 | -11 | 佐久間朱莉 |
2位 | -10 | 菅沼菜々 |
3位T | -9 | 岡山絵里、河本結 |
5位T | -8 | 高橋彩華、申ジエ、櫻井心那 |
強さの核心は「不動の軸」にあり
今季の佐久間選手の快進撃を支えているのは、疑いようもなくパッティング技術の劇的な向上です。その進化はデータにも明確に表れています。
年度 | 平均パット数 (パーオンホール) | 順位 |
2022年 | 1.8302 | 55位 |
2023年 | 1.8021 | 33位 |
2024年 | 1.7745 | 11位 |
2025年 | 1.7434 | 1位 |

なぜ、これほどまでにパッティングが安定したのか。その答えは、地道なオフシーズンのトレーニングにありました。彼女が取り組んだのは、体幹の強化。「腹筋に直に力を入れ、体から刺激を与えることで、ストローク中に頭が動かなくなりました」と彼女は語ります。この「不動の軸」を手に入れたことで、高速グリーンでもイメージ通りにボールを転がせる自信が生まれました。弱点を最大の武器へと変えたのです。
それぞれの最終日、それぞれのドラマ
栄光を手にした勝者がいれば、その裏で悔し涙を流した選手もいます。
1打及ばず2位となった菅沼菜々選手は、涙をこらえきれませんでした。「調子は今までにないくらい良かった」と語るように、完璧とも思えるショットがグリーンで弾かれバンカーに捕まる不運も。それでも笑顔を貫き通した姿勢は、多くのファンの胸を打ちました。
また、首位からスタートした河本結選手は、ショットの不調に苦しみ3位でフィニッシュ。「実力不足」と自身を責め、ファンの声援に思わず涙を見せる場面も。海外メジャーからの帰国直後の戦いで、心身ともに厳しい状況だったことは想像に難くありません。「27歳、涙は見せられないなって」と気丈に笑う姿に、次戦への強い決意がにじんでいました。
賞金だけではない、大会が紡ぐ物語
今大会は賞金総額3億円という華やかさだけでなく、随所にドラマがありました。小野祐夢選手と仁井優花選手がホールインワンを達成し、それぞれ高額賞金を獲得。会場を大いに沸かせました。
アース製薬の大塚会長が語った「記憶に残る、心に残る、歴史に残るような大会を目指す」という言葉。その想いが選手たちの熱いプレーと共鳴し、今年も私たちの心に深く刻まれる素晴らしい4日間を創り上げてくれました。佐久間選手の優勝は、その象徴的な出来事だったのかもしれません。
今大会のハイライト
- 佐久間朱莉が逆転で今季3勝目、3ヶ月連続優勝を達成。
- 強さの要因は、体幹トレーニングによるパッティングの劇的な安定。
- 菅沼菜々が1打差の2位、河本結は首位スタートから3位と、ライバルたちも熱戦を展開。
- 佐久間はメルセデス・ランキング1位を堅守し、新たな目標として「年間5勝と女王」を公言。
- 小野祐夢、仁井優花のホールインワン達成も大会を盛り上げた。