
2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、旅行や外出が回復する一方で、娯楽サービス業界の景況感に暗雲が漂い始めています。
帝国データバンクが発表した最新の景況レポートによると、娯楽サービス業の景況感を示すDIは3ヶ月連続で悪化。物価高騰の影響で企業の経費負担が増加していることや、消費者の娯楽費支出が鈍化していることが背景にあります。
映画はヒット作に恵まれるも全体的な支出は減少傾向

レポートによると、映画館は2月公開の「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」、4月公開の「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」など、興行収入100億円を超えるヒット作に恵まれたことで「映画・演劇等入場料」の支出は増加しました。
しかし、その他のレジャー関連支出は全体的に減少傾向にあり、消費者の財布の紐は固く、娯楽費支出は回復基調から鈍化しつつあることが伺えます。
ゴルフ場は来場者数が減少傾向

「3つの密」を回避できるレジャーとしてコロナ禍で人気が高まったゴルフ場ですが、「コロナが5類移行となり、来場者が減少している」との声が聞かれ始めました。
行動制限がなくなり、消費者の選択肢が増えたことで、ゴルフ人気も落ち着きを見せているのかもしれません。
屋内娯楽施設にチャンス到来?

2024年の夏は記録的な猛暑になると予想されており、外出を控える人が増える可能性も考えられます。
そうなると、映画館やカラオケボックスなど、空調の効いた屋内型の娯楽施設に人気が集まるかもしれません。
今後の娯楽サービス業界はどうなる?
今回のレポートでは、娯楽サービス業界全体としては回復傾向にブレーキがかかっているという結果になりました。
しかし、業界全体が低迷しているわけではなく、テーマパークのようにコロナ禍前に比べて業績を伸ばしている業界もあれば、パチンコホールのように少子高齢化やレジャーの多様化などの影響を受けている業界もあります。
今後の動向としては、物価高騰の影響がどこまで続くのか、そして記録的な猛暑がどのように消費者の行動に影響を与えるのかが注目されます。