国内女子ゴルフのメジャー初戦「 ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 」が5月8日、茨城県の 茨城ゴルフ倶楽部 東コース で開幕しました。初日、39歳のベテラン藤田さいき選手が圧巻のプレーを見せ、トーナメントをリードしています。
藤田さいき、試練を越えて14年ぶりの単独首位
ツアー6勝の実績を持つ藤田さいき選手が、7バーディー、1ボギーの「66」という素晴らしいスコアをマーク。6アンダーで単独首位に立ちました。藤田選手が単独首位で初日を終えるのは、2011年の「ダイキンオーキッドレディス」以来、実に14年ぶりのことです(1位タイでの発進を含めると2年ぶり)。
前週の「パナソニックオープンレディース」では右手首の痛みにより第2ラウンド途中で棄権し、週末には39度の高熱に見舞われるなど、万全とは程遠い状態でした。「(今週は)練習ラウンドもできずにプロアマだけ。手首は今朝も鍼(はり)治療をしてもらった」と語る藤田選手。そのような状況下での好スコアに、「こんなスコアが出ると思わなかったので、今日はできすぎ。完璧だと思う」と自身でも驚きを隠せない様子でした。この勢いで、2010年の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」以来となるメジャー2勝目を目指します。
強豪ひしめく上位争い、注目選手の動向
首位と1打差の5アンダー2位には、昨シーズンのメジャー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を制した桑木志帆選手がつけています。6バーディー、1ボギーの「67」と安定したプレーを見せました。
さらに1打差の4アンダー3位タイには、藤田かれん選手と韓国のイ・ミニョン選手が並んでいます。
地元茨城県出身で米女子ツアー6勝の畑岡奈紗選手は、4バーディー、1ボギーの「69」で回り、3アンダーの5位タイと好位置でスタート。同じく地元の金澤志奈選手、2つのイーグルを奪った全美貞選手(韓国)、韓国ツアー7勝のパク・ヒョンギョン選手(韓国)、青木瀬令奈選手、葭葉ルミ選手、小林光希選手も5位タイグループにつけています。
前週、見事な復活優勝を遂げた菅沼菜々選手は、今季1勝の佐久間朱莉選手、安田祐香選手、山内日菜子選手、ルーキーの都玲華選手とともに2アンダーの12位タイ。ディフェンディングチャンピオンのイ・ヒョソン選手(韓国)は、2018年大会覇者の申ジエ選手(韓国)、元賞金女王の稲見萌寧選手らと並び、1アンダーの17位タイで初日を終えています。
畑岡奈紗、地元メジャーでのパッティング調整
7年ぶりに地元茨城での国内メジャーに参戦している畑岡奈紗選手は、パッティングに新たな試みを取り入れています。前週の米ツアーから、左手にグローブをはめたままストロークするスタイルを導入。「いまは変な症状が出るとしたら、左手が邪魔するんです」と、その意図を語ります。パターも実家にあったピンの「ケーデンス TR パイパー T」(クランクネック)に変更し、ショートパットの課題克服を目指しています。初日は多くのギャラリーが見守る中、スタートホールでボギーを叩いたものの、その後持ち直し3アンダーでフィニッシュ。地元ファンの期待に応えるべく、2日目以降の巻き返しが期待されます。
初日上位成績とトピックス
ワールドレディスサロンパスカップ 初日 上位成績
順位 | スコア | 選手名 |
1 | -6 | 藤田さいき |
2 | -5 | 桑木志帆 |
3T | -4 | 藤田かれん、イ・ミニョン |
5T | -3 | 畑岡奈紗、金澤志奈、全美貞、パク・ヒョンギョン、青木瀬令奈、葭葉ルミ、小林光希 |
12T | -2 | 菅沼菜々、佐久間朱莉、安田祐香、山内日菜子、都玲華 |
また、この日、尾関彩美悠選手が13番パー3(126ヤード)で見事ホールインワンを達成し、賞金10万円を獲得しました。しかし、スコアは4オーバー87位タイと出遅れています。
まとめ
- 藤田さいきが「66」で回り、14年ぶりの単独首位発進。
- 1打差2位に桑木志帆、2打差3位タイに藤田かれん、イ・ミニョンが続く。
- 地元出身の畑岡奈紗は3アンダー5位タイと好スタート。パッティングで新たな試みも。
- 前週優勝の菅沼菜々は2アンダー12位タイ。
- 尾関彩美悠が13番でホールインワンを達成。