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静かなる復活 菅沼菜々、苦悩を乗り越え掴んだ2年ぶりの栄冠

女子ゴルフ界に、確かな足跡を刻む一筋の光が差し込みました。千葉県市原市で開催された国内女子ゴルフツアー「パナソニックオープンレディース」最終日。多くのギャラリーが見守る中、菅沼菜々選手が2シーズンぶりとなるツアー3勝目を挙げました。それは、単なる勝利という言葉だけでは語り尽くせない、深い意味を持つ復活劇でした。

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歓喜の裏にあった苦闘の日々

初優勝か復活優勝か? | パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント – Round3│JLPGAオフィシャルチャンネル

首位タイからスタートした最終日。菅沼選手は5バーディー、2ボギーの「69」で回り、通算10アンダーでフィニッシュ。後続を1打差で振り切り、2023年10月以来となる優勝カップを手にしました。

しかし、その笑顔の裏には、長く険しい道のりがありました。一昨年にツアー2勝を挙げ、順風満帆かと思われた矢先、昨シーズンは深刻な不振に陥ります。16試合で予選落ちを喫し、シード権も喪失。「最初は予選落ちが続いて受け入れられないというか、何でできないんだろうというもどかしさもあったりして、どんどん予選も通れなくなって、どんどん自信もなくなった」と、当時の苦しい胸の内を明かしています。ゴルフ場へ向かう足取りさえ重くなる日々。まさに「どん底」でした。

異例の決断 「ゴルフから離れる」勇気

不振の原因は、右ひざの怪我に端を発するショットの乱れ。さらに、飛行機や新幹線での移動が困難になる「広場恐怖症」とも向き合わなければなりませんでした。出場できる試合も限られ、焦りが募る一方だったと言います。

追い詰められた状況で、菅沼選手は意外な決断を下します。オフシーズンに約1ヶ月半、クラブを一切握らなかったのです。「プロになってからは1か月半クラブを握らなかったのは初めてだったので不安もあったけど、これだけどん底に落ちたのでやらなくても変わらないかなと思った」。ゴルフから物理的に距離を置くという、まさに”荒療治”。しかし、この期間が彼女に新たな気づきをもたらしました。「あのままやっていてもよかったかもしれないけど、ゴルフが楽しいと思えるようになれた」。原点に立ち返り、ゴルフへの純粋な気持ちを取り戻すための、必要な時間だったのかもしれません。

支えとなった存在と、揺るがぬ信念

リフレッシュを経て練習を再開すると、不思議と「変な癖が消えていた」と言います。そこに、2024年11月から指導を受ける森守洋コーチの存在がありました。「菜々ちゃんは天才なんだから頑張って」という肯定的な言葉とシンプルな指導が、本来のスイングを取り戻す助けとなりました。

そして何より、どんな状況でも応援し続けてくれるファンの存在が大きな力になりました。今年1月に開催されたファンミーティングで直接パワーをもらい、「また、やろう」と決意を新たにできたと語ります。SNSでの心無い言葉に悩まされることがあっても、「ゴルフを知らない人にも興味を持ってもらうために発信は続けていきます」という信念は揺るぎません。その姿勢が、多くの人を惹きつける理由なのでしょう。

【パナソニックオープンレディース 最終結果】

順位選手名スコア
優勝菅沼菜々-10
2位大里桃子-9+1
3位T小祝さくら-7+3
3位T仲村果乃-7+3
3位T神谷そら-7+3
10位佐久間朱莉-5+5

※一部抜粋

復活Vが示す、新たなステージへ

優勝を決めた瞬間、様々な思いが込み上げ、涙が溢れた菅沼選手。「昨年は全然ダメで、つらかったことをラウンド中に思い出して泣きそうになった。今はゴルフが楽しい」「自分の中では成長できた。悪かったからこそ、周りの方の支えがありがたいとすごく感じた」。苦難を乗り越えたからこそ得られた、深い感謝と成長の実感でした。

この勝利により、次週の国内メジャーやシーズン最終戦「リコーカップ」への出場権も獲得。「たくさん上位に入れる強い選手になりたい。あとは、ひとりでも誰かに勇気や希望が届けられるように」。”ゴルフ界のアイドル”は、確かな強さと優しさを纏い、新たなステージへと歩みを進めます。彼女の今後の活躍から、目が離せません。

【まとめ:菅沼菜々選手 復活優勝のポイント】

  • 2年ぶりのツアー3勝目: パナソニックオープンレディースで通算10アンダーで優勝。
  • 昨季の不振: シード落ち、予選落ち多数と苦しいシーズンを経験。
  • オフの決断: 約1ヶ月半クラブを握らず、ゴルフから離れる時間を作る。
  • 心身のリセット: ゴルフを楽しむ気持ちを取り戻し、スイングの癖も修正。
  • 周囲の支え: コーチの指導、ファンの応援が大きな力に。
  • 広場恐怖症との向き合い: 困難を抱えながらもプレーを続ける。
  • 今後の展望: メジャー出場権獲得、さらなる飛躍を目指す。
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