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松山英樹、五輪の魔物と闘う ー シャッター音、池ポチャ… それでも諦めないサムライの魂

松山英樹、五輪の魔物と闘う ー シャッター音、池ポチャ… それでも諦めないサムライの魂

パリ五輪ゴルフ競技、男子2日目。初日8アンダーのロケットスタートを切った松山英樹選手。この日も攻めのゴルフでバーディーを重ね、日本の期待を一身に背負って単独首位を快走していました。しかし、ゴルフは残酷なまでにドラマチックな展開を見せます。舞台は最終18番ホール、運命のいたずらか、それとも五輪の魔物なのか…

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悲劇の始まりは、ひとつのシャッター音

2打差の単独首位で迎えた最終18番ホール、ティグラウンドに異様な緊張感が漂います。松山選手が集中力を高め、ティショットを打とうとしたまさにその時でした。ギャラリー席から、乾いたカメラのシャッター音が鳴り響きます。

この瞬間、松山選手の集中力は途切れ、ボールは大きく右へと逸れていきます。「やばい…」誰もがそう思ったでしょう。深いラフに飲み込まれたボールを探すことすら困難な状況。ボランティアスタッフも加わり、懸命な捜索が続きます。

18番ホールの悪夢、試練は続く

ようやくボールが見つかり、胸を撫で下ろしたのも束の間、松山選手を待ち受けていたのは、さらなる試練でした。深いラフからの脱出に苦しみ、2打目はグリーン手前のラフへ。そして迎えた3打目、残り距離115ヤード。ピンはグリーン右手前に切られており、手前には池が口を開けています。

「ここは安全に左サイドを狙っていくしかない」そう判断した松山選手でしたが、アゲンストの風を読み間違えてしまい、ボールは狙いよりも右へ。無情にも、水しぶきを上げて池へと消えていきました。

「まさか…」会場全体が息を呑みます。誰しもが、東京五輪での最終日最終ホール、銅メダルをかけたプレーオフでの池ポチャの悪夢を思い出したに違いありません。

土壇場で光るメンタル、意地のダブルボギー

誰もが諦めかけたその瞬間、松山選手の底力が発揮されます。ドロップゾーンから放たれた5打目は、ピン5メートルにピタリと寄せるスーパーショット! ギャラリーからは、この日一番の歓声が沸き起こります。

そして、5メートルのボギーパット。「これを外したら終わりだ…」誰もが固唾を飲んで見守る中、松山選手は落ち着いてパターを振り抜きます。ボールはカップの底へ吸い込まれ、なんとかダブルボギーでホールアウト。

このホールをまさかのダブルボギーとしたものの、通算11アンダーでホールアウトした松山選手は、ザンダー・シャウフェレ選手、トミー・フリートウッド選手と並び首位タイ。決勝ラウンドへと駒を進めました。

試練を乗り越え、栄光を掴む

試合後、「最後の終わり方は本当に悔しいですが、まだ2日間残っているので切り替えていきたい」と語った松山選手。

最終18番の悪夢を振り払い、残り2日間、どんなゴルフを見せてくれるのでしょうか? 世界中のゴルフファンが、松山選手の逆転劇に期待を寄せています。

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