2024年のトラベラーズ選手権は、ゴルフファンにとって忘れられない大会となりました。スコッティ・シェフラーが圧倒的な強さでシーズン6勝目を挙げ、タイガー・ウッズ以来の偉業を達成しました。しかし、その裏では、親友との優勝争いや抗議活動勃発など、様々なドラマが繰り広げられていました。
舞台となったTPCリバーハイランズは、雨の影響でスコアが大きく動く展開に。シェフラーは、ザンダー・シャウフェレ、コリン・モリカワ、トニー・フィナウ、ソンジェ・イムといった強豪ひしめく中、着実にスコアを伸ばしていきます。
そして、最終日にドラマが待っていました。
18番ホールの激闘と衝撃の展開
最終組でラウンドするシェフラーとトム・キム。2人は同い年のライバルであり、誕生日が同じ6月21日という特別な間柄でもあります。優勝を争うプレッシャーの中、シェフラーは1打リードで迎えた18番ホールで、信じられない光景を目の当たりにします。
なんと、グリーン上に抗議活動を行う集団が乱入し、白い粉を撒き散らし始めたのです。
「何が起こったのか理解できませんでした。ただただ怖かったです…」
後にそう語ったのは、同組でラウンドしていたアクシェイ・バティア。緊迫した状況の中、シェフラーは動揺を見せず、冷静にパーパットを沈めます。キムもバーディを奪い、勝負はプレーオフへともつれ込みました。
親友とのプレーオフ、そして勝利の女神は…
「トムに勝ちたい気持ちと、彼に優勝して欲しい気持ちが両方ありました。複雑な心境でしたね」
シェフラーは後にそう語っています。親友でありライバルであるキムとのプレーオフは、ゴルフファンならずとも見逃せないドラマでした。
18番ホールで行われたプレーオフ1ホール目。シェフラーは、安定したショットでバーディチャンスを作ると、これを確実に沈めて勝負あり。シーズン6勝目、そしてタイガー・ウッズ以来となる偉業を達成しました。
キャディへの感謝と、抗議活動への想い
「テッド(キャディ)のゲームプランと、このコースへの攻略法があったからこそ、今回の勝利があります。彼は、バッバ・ワトソンを3度の優勝に導いた経験を活かし、的確なアドバイスをくれました」
シェフラーは、優勝の喜びを分かち合うと共に、キャディへの感謝の言葉を述べています。
一方、抗議活動については、「僕たちが集中力を切らさずにプレーできたのは、警備員の方々が迅速に対応してくれたおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。
今回のトラベラーズ選手権は、シェフラーの強さと共に、ゴルフ界が抱える課題も浮き彫りにしました。抗議活動は決して許される行為ではありませんが、彼らの訴えに耳を傾け、より良い未来に向けて対話していくことが重要です。
シェフラーは、今後のゴルフ界を背負う存在として、更なる活躍が期待されています。彼の挑戦はまだまだ続きます。