米国ワシントン州サハリーCCを舞台に熱戦が続く全米女子プロ選手権。2019年の全英女子オープン覇者、渋野日向子選手に大きな注目が集まっています。3日目を終え、首位と4打差の5位タイ。決して楽観視できる状況ではありませんが、逆転優勝、そしてパリ五輪出場へ向け、最後の18ホールにすべてを懸けます。
苦しんだ前半、それでも諦めない“スマイルシンデレラ”の底力
2打差3位タイと好位置で迎えた3日目。しかし、渋野選手の表情は序盤から曇りがちでした。1番でボギーが先行すると、3番、4番でも連続ボギー。「どうなることかと思った」と本人が振り返るように、優勝争いから脱落しかねない苦しい展開でした。
それでも、渋野選手は決して諦めません。5番でバーディーを奪い返すと、その後も集中力を切らすことなくプレーを続けます。8番で再びボギーを叩き、前半を3オーバーで折り返したものの、後半に見せた粘り強いゴルフこそ、まさに“スマイルシンデレラ”の真骨頂と言えるでしょう。
ベテランの風格漂う後半戦、逆転への望みを繋ぐ
後半に入ると、渋野選手はベテランの風格さえ感じさせる落ち着き払ったプレーを披露します。11番パー5では、2打目をイーグルチャンスにつけバーディーを奪取。難しいラインを読み切ったパッティングも素晴らしく、徐々に本来の調子を取り戻していきます。
さらに15番パー4でもバーディーを奪い、リーダーボードを駆け上がります。16番では、8メートルのパーパットをねじ込み、ガッツポーズを見せる場面も。この日の渋野選手を象徴するような、気迫のこもったパットでした。
「なかなかうまくいかないと思ったが、あきらめず最後までプレーできた」
ホールアウト後、渋野選手は安堵の表情を見せました。苦しいラウンドながらも、スコアを2つ戻してのフィニッシュ。首位とは4打差、逆転優勝は決して不可能ではありません。
WHAT?!
An incredible par-save for Hinako Shibuno 😲 pic.twitter.com/4XsugpkV1l
— LPGA (@LPGA) June 22, 2024
メジャー制覇&パリ五輪へ! 最終日に懸ける想い
「耐えながらも伸ばさないといけない。しっかりあきらめず、最後まで頑張りたい」
最終日を前に、渋野選手は力強く語りました。2019年の全英女子オープン以来となるメジャー2勝目、そしてパリ五輪出場へ向け、最後の18ホールにすべてをぶつけます。
世界ランキング62位の渋野選手にとって、今回の大会で優勝することがパリ五輪出場へ大きく近づくため、是が非でも逆転優勝を狙いたいところです。
一方、日本人選手として4人目のメジャー制覇を目指す山下美夢有選手も、通算5アンダーの単独2位と好位置につけています。渋野選手と共に最終日は優勝を争います。
日本中に感動を与えた“スマイルシンデレラ”が、再び奇跡を起こすのか? 日本人選手同士の優勝争いにも期待が高まります。全米女子プロ選手権最終日、世紀の一戦を見逃すな!