

黄金世代、白熱世代に続き、実力者揃いと注目される「プラチナ世代」。その中でも、笑顔が魅力の飛ばし屋として注目を集めるのが、政田夢乃プロです。2023年、5度目の挑戦でプロテスト合格を果たし、JLPGA96期生として新たなスタートを切りました。今回は、彼女の意外な素顔やゴルフ界の豆知識を交えつつ、その軌跡と未来を深く掘り下げていきましょう。
3歳でゴルフクラブを握った!?ゴルフとともに歩んだ幼少期

2000年7月28日、夏生まれの太陽のような笑顔が印象的な政田プロ。北海道札幌市で生まれ育ちました。ゴルフを始めたきっかけは、なんと3歳の頃。父親に連れられて練習場に行ったことが運命の出会いだったそうです。
実は、幼い頃にゴルフを始めるプロゴルファーは少なくありません。あのタイガー・ウッズも2歳からゴルフクラブを握っていたというから驚きです。幼少期からボールの感触、芝の匂い、そしてナイスショットの爽快感を肌で感じてきたからこそ、彼女たちのプレースタイルには、天性のものを感じずにはいられません。
政田プロは、小学生時代から地元の大会で頭角を現し始めます。大人顔負けの豪快なスイングで、周囲を驚かせたというエピソードも。
【ゴルフ豆知識】
ジュニアゴルファーの大会では、年齢や性別によって使用するティーグラウンドが異なります。小学生の大会では、大人用のティーグラウンドよりもかなり手前からプレーすることが一般的です。
強豪ひしめくジュニア時代で才能が開花!
年齢を重ねるごとに、政田プロの才能はさらに開花していきます。
- 2017年「全国高等学校ゴルフ選手権」優勝:この大会は、多くのプロゴルファーを輩出してきた登竜門としても知られています。
- 2018年「日本ジュニアゴルフ選手権」2位:並み居る強豪を押さえ、見事準優勝。この頃から、プロの世界も視野に入れ始めます。
高校時代、彼女は練習の虫としても有名でした。学校が終わると、毎日日が暮れるまで練習に明け暮れていたそうです。
【政田プロにまつわる小話】
当時の練習仲間によると、政田プロは集中力が途切れると、よく「好きなアーティストの曲を口ずさみながら気分転換をしていた」のだとか。休日には親友とディズニーランドに行ってリフレッシュしたり。明るい笑顔の裏には、プレッシャーを跳ね返す強靭なメンタルを秘めているのかもしれません。
プロテスト合格までの道のり~挫折を乗り越え掴んだ切符~
順風満帆なゴルフ人生を歩んできたかのように見える政田プロですが、プロテスト合格までは決して平坦な道のりではありませんでした。高校卒業後、2019年のプロテストに初挑戦するも、1打及ばず不合格。その後も挑戦を続けましたが、結果に結びつきませんでした。
「プロテストは技術だけでなく、精神力が試される」と多くのプロゴルファーが口を揃えます。特に最終日は、プレッシャーとの戦い。1打の重みが、普段とは全く異なるものになるのでしょう。
それでも彼女は諦めませんでした。2021年からは、下部ツアーであるマイナビネクストヒロインゴルフツアーに参戦し、経験を積みます。そして、2023年シーズンには年間4勝を挙げるまでに成長。同年11月、5度目の挑戦となったプロテストで、ついに悲願の合格を果たしたのです。
合格発表の瞬間、彼女は涙をこらえながら、支えてくれた家族や関係者への感謝の気持ちを語っていました。その姿は、多くのゴルフファンに感動と勇気を与えました。
スポンサー契約や最新クラブセッティングにも注目!
プロテスト合格後、政田プロは複数の企業とスポンサー契約を締結。企業のサポートは、プロとして戦う上で非常に重要です。
最新クラブセッティングは、ドライバーからアイアンまでキャロウェイで統一。注目は、PGAツアーで話題となった大型ヘッドのパター「オデッセイ AI-ONE JAILBIRD MINI DB」です。男子プロの使用で話題となったモデルを、自身の感覚に合うよう一回り小さいサイズにしているところに、彼女のこだわりが垣間見えます。
アイアンは、2024年発売の未発売モデル「キャロウェイ X FORGED」の新バージョンをチョイス。やさしいモデルではなく、あえてスタンダードモデルを選択するあたりに、彼女の向上心の高さが伺えます。
【ゴルフ豆知識】
プロゴルファーは、スポンサー契約の一環として、企業ロゴの入ったウェアやキャップを着用することが義務付けられています。また、使用するゴルフボールやクラブも、契約メーカーのものに限定される場合がほとんどです。
2024年シーズン 現状と課題、そして未来への期待
2024年シーズンは、QTランキング147位でスタートした政田プロ。
- 「ヤンマーハナサカレディース」 59T
- 「フンドーキンレディース」 28T
- 「大王海運レディスオープン」 予選落ち
- 「ツインフィールズレディース」 4T
「ツインフィールズレディース」では4位タイと健闘を見せるも、レギュラーツアーでの優勝はまだ遠い状況です。
課題は、安定感。持ち前の飛距離とショットの精度を活かしつつ、いかに安定したスコアメイクができるかが、今後の鍵となるでしょう。
「笑顔でプレーする」ことをモットーに、持ち前の明るさと努力でさらなる高みを目指す政田プロ。近い将来、彼女がリーダーボードの頂点に立つ姿を、そして、満面の笑みでウイニングパットを決める姿を、ゴルフファンは心待ちにしています。
