こんにちは!今回は、アリゾナ州の砂漠にひっそりと佇む、ユニークなゴルフコース「スネークホール」の魅力に迫ります。ここは、一般的なゴルフコースとは一線を画す、まさに”大人の社交場”。砂漠の厳しい環境の中に、オアシスのような安らぎと、ゴルフの原点とも言えるシンプルな喜びを提供してくれる場所です。
砂漠の宝石「スネークホール」誕生秘話
「スネークホール」が生まれたのは1979年。場所は、アリゾナ州アパッチジャンクションにある、シニア向けの住宅地「カントリーサイドRVリゾート」の一角です。当時、このRVパークに隣接する土地は、使われなくなった家具や車の部品などが放置された、荒れ果てたゴミ捨て場でした。
そこに目を付けたのが、ゴルフ愛好家であり、カントリーサイドRVリゾートの住民でもあったコン・オルソン氏。彼は、この荒れ地を自ら開拓し、ゴルフコースへと変貌させるという壮大な夢を描いたのです。
オルソン氏は、RVパークの住民仲間と共に、ゴミの山を片付け、砂漠の土を耕し、手作りのゴルフコースを作り上げていきました。そして、ある日、コースの茂みの中で一匹の蛇がとぐろを巻いているのを発見したことから、「スネークホール」(蛇の巣穴)と名付けられました。
砂漠の環境と共存する、ワイルドな9ホール
「スネークホール」は、全長約1,000ヤードの9ホールのコースです。最短83ヤードから最長226ヤードまで、距離も形状も変化に富んだホールが、砂漠の景観に巧みに溶け込むように配置されています。
特徴的なのは、そのワイルドな環境です。フェアウェイは、砂漠の硬い土がむき出しになった状態。ところどころに砂漠の植物が自生し、まさに自然との共存を感じさせるコースとなっています。
グリーンは、なんと砂でできています!ホームセンターで購入した砂と、地元のアメリカンレギオンから提供された廃油を混ぜて作られた、まさに手作りのグリーンです。この砂のグリーンは、独特の感触とスピードを生み出し、「スネークホール」ならではのゴルフ体験を提供しています。
手作り感溢れる、温かいゴルフコミュニティ
「スネークホール」は、カントリーサイドRVリゾートの住民だけが利用できる、プライベートコースです。会員数は約55名で、そのほとんどが50代以上のシニア世代。年会費はわずか30ドルで、この料金で無制限にゴルフを楽しむことができます。
会員たちは、ゴルフを通して強い絆で結ばれています。毎週月曜日、木曜日、土曜日の朝には、4人1組のチームで、低額の賞金を賭けて競い合う、和気あいあいとしたリーグ戦が行われます。
コースのメンテナンスも、会員たちが協力して行います。砂のグリーンは、プレー後に「グリーングルーマー」と呼ばれる専用の道具を使って、表面をきれいに整えます。また、フェアウェイに砂漠の植物が生えてきたら、ATVに繋がれたレーキを使って取り除くなど、まさに「みんなで作るゴルフコース」なのです。
【動画・Movie】Snakehole Golf Club
シンプルさにこそ宿る、ゴルフの真髄
「スネークホール」には、高級ゴルフコースのような豪華なクラブハウスや、整備の行き届いたカート道路はありません。しかし、そこには、ゴルフ本来の魅力である、自然との触れ合い、仲間との交流、そしてゲームを楽しむ喜びがあふれています。
「スネークホール」は、私たちに、ゴルフの原点回帰を促してくれる場所と言えるでしょう。それは、最新鋭のゴルフクラブや、完璧な芝のグリーンがなくても、ゴルフは十分に楽しめるということを教えてくれます。
砂漠の厳しい環境の中に、オアシスのように存在する「スネークホール」。そこでは、シニア世代のゴルファーたちが、ゴルフの真髄を楽しみながら、穏やかで充実した日々を送っています。
- Snakehole Golf Club : This Arizona club has an ‘exclusive’ membership — and sand greens