
ゴルフを愛する皆さん、こんにちは。コース上で稀に起こる奇跡的なスコアに、心を躍らせた経験はありませんか? ホールインワンはその代表格ですが、実はそれ以上に達成が難しいとされるスコアが存在します。それが「アルバトロス」です。
今回は、このアルバトロスというスコアに焦点を当て、その定義やホールインワンとの違い、そしてどれほど達成が難しいのかを探っていきます。先日、日本の男子プロゴルフツアー「中日クラウンズ」で小西たかのり選手が見事に達成した事例も交えながら、その魅力に迫りましょう。
アルバトロスとは? ホールインワンとの違いを整理
まず、アルバトロスとホールインワン、それぞれの定義を確認しておきましょう。どちらも規定打数(パー)よりも少ない打数でホールアウトする素晴らしいスコアですが、その内容は異なります。
スコア名 | 定義 | 主な達成状況 | パーに対する打数 |
アルバトロス | 規定打数(パー)より3打少なくホールアウト | パー5のホールで2打目がカップイン<br>パー4のホールで1打目(ティーショット)がカップイン | -3 |
ホールインワン | 1打目(ティーショット)が直接カップイン | 主にパー3のホール | -2 (Par3) |
※アルバトロスは「ダブルイーグル」とも呼ばれます。
表を見てわかる通り、アルバトロスはパーよりも3打少ないスコアを指します。パー5のホールで2打目が直接カップインするケースが一般的ですが、極めて稀にパー4でホールインワンを達成した場合もアルバトロスとなります。一方、ホールインワンは主にパー3で達成される、パーよりも2打少ないスコアです。
なぜアルバトロスは稀なのか? その達成難易度
では、なぜアルバトロスはホールインワンよりも難しいと言われるのでしょうか?いくつかの理由が考えられます。
- 達成機会の限定: ホールインワンが主にパー3(通常1ラウンドに4ホール程度)で狙えるのに対し、アルバトロスはパー5(同じく4ホール程度)の2打目、またはパー4(10ホール程度)のティーショットで達成されます。特にパー4でのアルバトロス(つまりホールインワン)は、距離が非常に長く、現実的にはパー5での2打目インが主なターゲットとなります。
- 要求される飛距離と精度: パー5の2打目でアルバトロスを狙うには、ティーショットで十分な飛距離を出し、さらに2打目でグリーンを狙える長い距離(多くの場合200ヤード以上)を、ピンポイントでカップに運ぶ精度が求められます。これは、パー3のティーショットで狙うホールインワンよりも、一般的に長い距離でのショットが必要となります。
- 確率の問題: 正確な統計データを見つけるのは難しいものの、一般的にアルバトロスの達成確率は、ホールインワンの達成確率よりも格段に低いと認識されています。アマチュアゴルファーが一生に一度達成できるかどうか、プロゴルファーでさえキャリアを通じて達成できないことも珍しくありません。
これらの要素が複合的に絡み合い、アルバトロスはゴルフにおける極めて希少価値の高いスコアとなっているのです。
ツアープロの世界でのアルバトロス:小西たかのり選手の快挙
その希少性は、プロの世界でも同様です。先日開催された国内男子ツアー「中日クラウンズ」の3日目、小西たかのり選手が見事なアルバトロスを達成しました。
舞台は名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースの2番パー5。左ラフからのセカンドショット、ピンまで残り231ヤードという距離でした。小西選手は4番ユーティリティを選択。少しつま先下がりの難しいライから、風を読み切り、コントロールされたフェードボールで見事にカップインさせました。
#小西たかのり が2番ホールでアルバトロス👏✨✨
このスーパーショットをぜひ動画でご覧ください📺#中日クラウンズ pic.twitter.com/eWOiCXa9Sw— 中日クラウンズ公式 (@cbc_crowns) May 3, 2025
これは、日本男子ツアー史上では44人目、51例目となるアルバトロスです(1985年以降の記録)。プロのトップ選手が集うツアーでさえ、これほど達成例が少ないことからも、その難易度がうかがえます。小西選手自身も、試合でのアルバトロスは初めてだったとのこと。「まさか入るとは…」というコメントからも、達成がいかに特別な瞬間であったかが伝わってきます。
アルバトロス達成と優勝のジンクス
興味深いことに、プロゴルフの世界には「アルバトロスを達成した大会では優勝できない」というジンクスが存在すると言われています。実際に、1985年以降の国内男子ツアーで、アルバトロスを達成した選手がその週に優勝した例はゼロとのことです。
前週の「前澤杯 MAEZAWA CUP」でツアー初優勝を飾り、好調を維持する小西選手。今回、首位タイで最終日を迎えるにあたり、このジンクスを打ち破ることができるのか、多くのゴルフファンが注目しています。もし達成すれば、歴史的な快挙となるでしょう。
まとめ:ゴルフの奥深さを象徴するスコア
アルバトロスは、単なる偶然だけでは達成できない、技術、状況判断、そして幸運が重なった時にのみ生まれる奇跡的なスコアです。ホールインワンも素晴らしい記録ですが、その達成条件や確率を考えると、アルバトロスはさらに特別な輝きを放っていると言えるかもしれません。
小西選手の快挙は、私たちにあらためてゴルフの奥深さとドラマ性を教えてくれました。皆さんも、いつかコースでこの「奇跡」を目撃する、あるいは自身で達成する日が来るかもしれませんね。