
PGAツアーの舞台では、時に予期せぬ出来事が起こります。2025年の「 バルスパー選手権 」で、カナダの実力者アダム・ハドウィン選手が見せた一瞬のフラストレーションと、その後の心温まる行動が話題となりました。
バルスパー選手権での出来事:アクシデントの一部始終
大会2日目、フロリダ州のイニスブルック・リゾート、カッパーヘッドコースでのこと。ハドウィン選手は、あるホールでのプレー後(報道によりホール番号や状況の詳細は異なりますが、ショット後のようです)、溜まったフラストレーションから持っていたクラブを地面に叩きつけてしまいました。
Adam Hadwin sprinkler smash 😤🏌️♂️ @jessicahadwin
— NUCLR GOLF (@NUCLRGOLF) March 22, 2025
不運なことに、その場所にはスプリンクラーのヘッドが隠れており、クラブが直撃。ヘッドは破損し、水が噴き出す事態となりました。ハドウィン選手自身、その場にスプリンクラーがあるとは認識していなかったようで、呆然とした表情を見せていました。
出来事の概要
項目 | 詳細 |
大会名 | 2025 バルスパー選手権 (Valspar Championship) |
日時 | 大会2日目 (金曜日) |
場所 | イニスブルック・リゾート カッパーヘッドコース |
選手 | アダム・ハドウィン (Adam Hadwin) |
状況 | プレー後のフラストレーションからクラブを地面に叩きつけ |
結果 | 芝の下に隠れていたスプリンクラーヘッドを破損、水が噴出 |
「恥ずかしかった」正直な気持ちと反省の弁
ハドウィン選手は後のインタビューで、「地面を叩いた時、そこにスプリンクラーがあるとは知らなかったので、何よりもまず本当に恥ずかしかった」と心境を語っています。
「ゴルフをプレーしたことがある人なら誰でも、どれほどフラストレーションが溜まるか知っていると思うけれど、もう少し自分をコントロールしないといけない。弁解の余地はない」と、プロフェッショナルとして自制心の必要性を正直に認めました。
さらに、「本当の動機は、妻(ジェシカ・ハドウィン)にツイートされるネタを減らすことかな」と、ユーモアを交えて語る場面もありました。
破損の弁償と感謝のランチ:コーススタッフへの粋な計らい
この出来事の後、ハドウィン選手は自身の行動に対して、非常に誠実な対応を見せました。
まず、破損させてしまったスプリンクラーの修理費用を全額負担。さらに、それだけでは終わりませんでした。
彼は、コースのコンディション維持に日々尽力しているメンテナンススタッフ(グリーンキーパー、グラウンドクルー)に対し、謝罪と感謝の気持ちを込めて、スタッフ全員分のランチを差し入れたのです。報道によると、それは人気メキシカン「Chipotle」のボリュームたっぷりな食事だったようです。
How it started ➡️ how it’s going
In addition to paying for all repairs to @Innisbrook sprinklers, our 2017 champ, @ahadwingolf sent a video message & bought lunch for the entire course maintenance department 🥹⛳️
Thank you, Adam & @jessicahadwin! pic.twitter.com/F3pelflxf6
— Valspar Championship (@ValsparChamp) March 28, 2025
この行動に対し、イニスブルックの農学ディレクターであるライアン・スチュワート氏は、自身のX(旧Twitter)アカウントで、スタッフがランチを楽しむ写真とともに感謝のメッセージを投稿しました。
「アダム・ハドウィン、スプリンクラーヘッドの費用を負担し、スタッフにランチを買ってくれて本当にありがとう。素晴らしい心遣いで、スタッフもとても喜んでいました。改めて感謝します」
ハドウィン選手の対応まとめ
対応内容 | 詳細 |
スプリンクラー修理費用 | 全額負担 |
謝罪・感謝の印 | コースメンテナンススタッフ全員へのランチ提供(報道によるとChipotle) |
関係者の反応 | コース責任者からXで写真付きの感謝メッセージが投稿される |
ゴルフファンからの反応とプロの姿勢
この一連のハドウィン選手の行動は、PGAツアー公式や多くのゴルフメディアで報じられ、ファンや関係者から「素晴らしいジェスチャーだ」「一流の振る舞い(Class Act)」といった称賛の声が多く上がりました。
誰にでもミスや、感情的になってしまう瞬間はあります。しかし、その後の誠実な行動が、かえってその選手の人間性を際立たせることがあります。今回のハドウィン選手の対応は、コースやそれを支える人々への敬意を示す、スポーツマンシップの一つの形として、多くの人々に好意的に受け止められました。
フィールドで繰り広げられる技術の競い合いだけでなく、こうした選手の人間味が垣間見えるエピソードもまた、ゴルフの魅力の一つです。