
ゴルフを愛する皆さんにとって、会員権は単なるプレーの権利以上の、特別な価値を持つものでしょう。仲間との時間、戦略を練る楽しさ、そして何よりゴルフ場という空間そのものへの愛着。しかし、その大切なゴルフ会員権も「資産」の一つです。将来、誰にどのように引き継いでいくのか、考えたことはありますか?今回は、ゴルフ会員権の相続や贈与について、知っておくべきポイントを分かりやすく解説します。
ゴルフ会員権の「価値」を正しく知ることから始めよう
ゴルフ会員権が資産である以上、その価値を把握することが相続・贈与の第一歩です。主に以下の3つのタイプがあり、それぞれ特性や評価の考え方が異なります。

- 預託金制会員権: ゴルフ場に一定額を預けることで会員資格を得るタイプ。市場で売買されることが多く、時価が存在します。
- 株主会員制会員権: ゴルフ場運営会社の株主になることで会員となるもの。会社の業績によって価値が変動する可能性があります。
- プレー会員権: 純粋にプレーする権利のみが与えられるタイプ。譲渡や相続が制限されるケースも少なくありません。
これらの会員権の価値は、ゴルフ場の人気や立地、経営状態、そして市場の需給バランスによって常に変動しています。まずはご自身の会員権がどの種類で、現在どれくらいの価値があるのかを把握しておくことが大切です。
相続時の評価はどうなる?知っておきたい税金と手続き
ゴルフ会員権を相続する場合、その評価方法は国税庁の指針に基づいて行われます。少し専門的になりますが、基本的な考え方は以下の通りです。

会員権の種類 | 評価方法の概要 | 押さえておきたいポイント |
取引相場のある会員権 | 通常、課税時期(相続開始日)の取引価格の70%に相当する金額で評価されます。 | 複数のゴルフ会員権業者から情報を得るなどして相場を把握。 |
取引相場のない会員権(預託金制) | 返還を受けられる預託金の額や、ゴルフ場の財産状況などを考慮して評価します。 | ゴルフ場の規約や財務状況の確認が不可欠。 |
取引相場のない会員権(株主会員制) | ゴルフ場運営会社の株式として、その会社の財産状況などに基づいて評価されます。 | 非上場株式の評価となり、専門知識が必要な場合も。 |
相続時には、名義書換料や年会費の精算といった手続きも発生します。ゴルフ場によっては相続による名義書換を認めていなかったり、相続人に関する条件が設けられていたりすることもあります。事前に会員規約をしっかり確認し、不明な点はゴルフ場に直接問い合わせてみましょう。
生前贈与という選択肢:メリットと注意点を比較検討
大切なゴルフ会員権を特定の誰かに確実に引き継ぎたい場合、生前贈与も有効な手段です。

生前贈与の主なメリット
- 自分の意思で、渡したい相手に会員権を確実に引き継げます。
- 将来の相続財産を減らすことで、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
- 相続発生後の手続きの煩雑さを避けられる場合があります。
生前贈与で注意すべき点
- 年間110万円の基礎控除額を超える贈与には贈与税がかかります。
- 贈与契約書を作成し、ゴルフ場での名義書換手続きが必要です。
- 名義書換料が発生する場合、誰が負担するのかを明確にしておきましょう。
- ゴルフ場によっては、生前贈与による名義書換に条件があることもあります。
相続と生前贈与、どちらが良いかは一概には言えません。以下の表で主な違いを比較してみましょう。
比較ポイント | 相続 | 生前贈与 |
意思の反映 | 遺言がなければ法定相続分が基本 | 贈与者の意思で自由に相手を選べる |
税金の種類 | 相続税(基礎控除額が大きい) | 贈与税(基礎控除額は小さいが暦年贈与を活用可) |
手続きのタイミング | 相続発生後 | 生前 |
名義書換料 | 相続時に発生 | 贈与時に発生 |
専門家の関与 | 税理士、司法書士などのサポートが有効 | 税理士、行政書士などのサポートが有効 |
どちらの方法を選ぶにしても、税金や法的手続きが絡んでくるため、専門的な知識が求められる場面は少なくありません。
迷ったら専門家に相談を。円滑な承継のためのパートナー選び

ゴルフ会員権の売買や相続、贈与の手続きは、慣れない方にとっては複雑で分かりにくいものです。特に評価額の算定や税務上の扱いは、専門家のサポートなしでは難しいケースも多いでしょう。
そんな時、ゴルフ会員権の取引を長年手がけてきた専門業者は心強い味方になります。彼らは市場の動向に精通しているだけでなく、相続や贈与に関する実務的なノウハウも豊富に持っています。例えば、業界での実績が長い「株式会社日本ゴルフ同友会」や、顧客一人ひとりの状況に合わせたきめ細やかな対応で定評のある「株式会社住地ゴルフ」といった企業は、安心して相談できる窓口の一つと言えるでしょう。こうした専門業者は、会員権の適正な評価から、煩雑になりがちな名義書換手続きの代行、さらには必要に応じて税理士などの専門家を紹介してくれることもあります。自分だけで悩まず、比較検討するためにも、まずは複数の専門業者に相談してみることをお勧めします。
まとめ:大切なゴルフ会員権を、スムーズに次世代へ
今回の内容を、改めてポイントとしてまとめます。
- ゴルフ会員権は資産であり、相続・贈与の際にはその価値を正しく評価する必要があります。
- 相続時の評価は会員権の種類や取引相場の有無で異なり、専門的な知識が求められます。
- 生前贈与は、贈与者の意思を反映しやすく、相続税対策にもなり得ますが、贈与税の理解も必要です。
- 名義書換料や年会費、ゴルフ場の規約(特に相続・贈与時の取り扱い)は事前に必ず確認しましょう。
- 手続きの複雑さや税務上の判断に迷う場合は、信頼できるゴルフ会員権仲介業者や税理士といった専門家に相談することが賢明です。
- 早めの情報収集と準備が、円満な資産承継への第一歩です。
思い出の詰まったゴルフ会員権を、大切な人にスムーズに、そして賢く引き継ぐために、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。