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マスターズ初日「65」 ジャスティン・ローズ、経験と戦略で首位発進

今年もゴルフ界最高の舞台、マスターズ・トーナメントがジョージア州オーガスタ・ナショナルGCで幕を開けました。名物のアーメンコーナーをはじめ、数々のドラマを生んできたこのコースは、今年も選手たちに厳しい試練を与えています。その初日、ひときわ輝きを放ったのがイングランドのベテラン、Justin Rose│ジャスティン・ローズ選手です。8バーディ、1ボギーの「65」、7アンダーという驚異的なスコアを叩き出し、単独首位でホールアウト。これは彼自身のマスターズでのキャリアベストに並ぶ記録であり、その実力を改めて見せつけました。試合後のインタビューでは、落ち着いた表情の中にも確かな手応えと、この大舞台にかける強い思いを語ってくれました。

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電光石火のスタートダッシュ – 序盤3ホールで見せた集中力

ローズ選手の快進撃は、スタートホールから始まりました。オーガスタの中でも屈指の難易度を誇る1番パー4。「タフなホールの1つ」と本人も語るこのホールで、約7.6メートル(25フィート)の難しい下りのスライスラインを見事に読み切り、バーディを奪います。「あれで落ち着くことができた」というこの一打が、その後の流れを大きく引き寄せました。

続く2番パー5、3番パー4もチャンスを確実にものにして連続バーディ。わずか3ホールで3アンダーとし、リーダーボードのトップへと駆け上がりました。「良いゴルフができていると感じた」という言葉通り、序盤からショット、パットともに冴えわたり、理想的なスタートを切りました。

ジャスティン・ローズ 初日のスコアカード (Round 1)

HOLE123456789OUT101112131415161718INTOT
Par454343454364435453443672
Score343343443313435442453465

要所を締めるベテランの技 – 中盤のパーセーブと粘り

常にバーディチャンスにつけていたわけではありません。オーガスタは些細なミスも許してくれないコースです。ローズ選手もいくつかのピンチを迎えましたが、そこからのリカバリーが光りました。

「5番ホールでは良いパーパットを沈めることができた」と語るように、難しい局面でも冷静さを失いませんでした。さらに、「バックナインの中盤、14番と15番では流れが変わりそうな瞬間があったけど、良いアプローチとパットで切り抜け、ラウンドの良い流れを保つことができた」と振り返ります。スコアカードを見ても、この2ホールをパーで切り抜けていることがわかります。

この日のローズ選手のスタッツを見ると、パーオン率が77.8%と高く、安定したショット力がうかがえます。フェアウェイキープ率は64.3%と決して高くはありませんでしたが、グリーンを捉える精度の高さと、8つのバーディを奪った勝負強いパッティングがビッグスコアの要因となりました。最終18番で唯一のボギーを叩いたものの、「それについてくよくよする必要はない」と、すでに気持ちは次へと向いています。

44歳の現在地 – ローズが語る「Indian Summer」と尽きない意欲

現在44歳。輝かしい実績を持つローズ選手ですが、近年は怪我に苦しむ時期もありました。しかし、今、再び世界のトップで戦う姿があります。彼は自身のキャリアの現在地を「Indian Summer(小春日和、キャリア晩年の輝き)」と表現したことがあります。

「今年は自分の良い時のプレーは本当に良いと感じている。高いレベルで戦えていると思う」と、現在の状態に自信をのぞかせます。「44歳だからね。ゴルフがこれから簡単になるわけではない。チャンスは以前より少なくなるだろうから、最大限に活かさないといけない」。年齢を重ねたからこその現実を見据えつつも、その言葉には悲観的な響きはありません。

PGAチャンピオンシップや全英オープンといったメジャー大会での優勝争いの経験が、彼に大きな自信とモチベーションを与えています。「ビッグステージで自分のゴルフを発揮し、世界のベストプレーヤーと戦えることを証明できた。それが分かっているからこそ、ハードワークを続ける意欲が湧いてくるんだ」。実際に、彼は練習への取り組み方を見直し、よりハードなトレーニングを積んでいることを明かしています。その努力が、この日の素晴らしいプレーに結実したと言えるでしょう。

『ジャケットがないだけ』 – マスターズへの渇望と揺るがぬ戦略

ローズ選手にとって、マスターズは特別な意味を持つ大会です。これまで2度の2位を含むトップ10フィニッシュ6回と、抜群の相性を誇ります。特に2017年は、セルヒオ・ガルシア選手とのプレーオフの末に惜敗。グリーンジャケットにあと一歩まで迫りました。

「このトーナメントで勝つのに十分なプレーはしてきたと感じている。ただ、それを証明するジャケットがないだけだ」という言葉には、長年の経験と実績に裏打ちされた自負と、このタイトルへの強い渇望が表れています。「クリスタル(2位以下の選手に贈られる記念品)はたくさんあるんだけどね」と付け加えるユーモアも、彼らしいところです。

「このコースの攻め方は分かっているし、素晴らしい戦略も持っている。あとはそれを実行するだけだ」。オーガスタを知り尽くしたベテランは、冷静に自分のやるべきことを見据えています。初日に大きなアドバンテージを得たローズ選手が、残り3日間、どのようなゴルフを見せてくれるのか。経験豊富な戦略家が描くオーガスタ攻略に注目が集まります。

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