アリゾナ州チャンドラーで開催中のLPGAツアー「Ford Championship presented by Wild Horse Pass」。大会2日目を終え、フィールドの様相が少しずつ見えてきました。灼熱の砂漠で繰り広げられるトッププレーヤーたちの戦いを、最新情報と共にお伝えします。
首位争いの行方 – リリア・ヴが「64」で抜け出す
2日目を終えてリーダーボードのトップに立ったのは、リリア・ヴ (Lilia Vu)。この日、8つのバーディーを奪いノーボギーの「64」という圧巻のスコアをマーク。通算14アンダーまで伸ばし、後続に2打差をつけて単独首位に躍り出ました。メジャーチャンピオンの実力を見せつけ、週末に向けて絶好の位置につけています。
そのリリア・ヴを追うのは、通算12アンダーの2位タイグループ。前年覇者で世界ランキング1位のネリー・コルダ (Nelly Korda)、タイの実力者ジーノ・チティクル (Jeeno Thitikul)、デンマークのナナ・コースツ・マドセン (Nanna Koerstz Madsen)、そして初日首位だったイングランドのチャーリー・ハル (Charley Hull)が名を連ねています。実力者たちが僅差でひしめき合う状況は、決勝ラウンドでの激しい優勝争いを予感させます。
躍進する日本人選手 – 古江彩佳がトップ10圏内、12名が予選通過
上がり3連続バーディーについて: 午後の難しいコンディションの中、上がり3ホール連続バーディーでスコアを2桁アンダー(-10)に乗せたことについて、「最後まで諦めずにできて、60台で上がれてよかった」と、ほっとした表情で語りました。
ラウンド内容の振り返り: 「出だしは良かったのですが、途中は苦しいプレーが多かったです」とラウンドを振り返りつつも、「後半はうまく切り替えられました。10番でバーディーも取れました」と、メンタルの切り替えがうまくいったことを明かしました。
中盤の粘りについて: パーセーブが続いた中盤に関しては、「ピンチの場面も多くあったと思います。耐えながらプレーし、(3連続ボギーなどにしなかったのが)まだ良かった」と、我慢のゴルフができたことをポジティブに捉えている様子でした。
午後のコンディションについて: 乾いたグリーンなど、午後のプレーにおける難しさ、特に距離感の調整については、「スタートから距離感を合わせるのが、かなり難しかったです」と、率直な感想を述べました。
終盤のバーディー奪取について: バーディーパットがなかなか決まらない状況が続いた後、16番でのバーディーがきっかけとなり、「(次のPar5も)うまくグリーンに乗せることができ、結果的に3連続バーディーが取れて良かったです」と、終盤の好プレーを振り返りました。
決勝ラウンドへの意気込み: 「明日も集中してプレーしたいです。また風も強くなる予報ですが、そのあたりも考慮してうまく計算しながらラウンドできればと思います」と、週末への抱負を語りました。
今大会には13名の日本人選手が出場。その中で、古江彩佳 (Ayaka Furue)が素晴らしいプレーを見せています。2日目もスコアを伸ばし、通算10アンダーで首位と4打差の6位タイ。直近の大会での好調ぶりを維持し、優勝争いに加わる勢いです。
さらに、畑岡奈紗 (Nasa Hataoka)と岩井明愛 (Akie Iwai)も通算9アンダーの9位タイとトップ10圏内につけており、上位進出への期待が高まります。
今大会の予選カットラインは4アンダー。多くの日本人選手がこのラインをクリアし、週末への切符を手にしました。
【日本人選手 主な順位 (第2ラウンド終了時点)】
順位 | 選手名 | スコア | 備考 |
6位T | 古江 彩佳 | -10 | 首位と4打差 |
9位T | 畑岡 奈紗 | -9 | トップ10圏内 |
9位T | 岩井 明愛 | -9 | トップ10圏内 |
25位T | 馬場 咲希 | -7 | |
35位T | 吉田 優利 | -6 | |
35位T | 勝 みなみ | -6 | |
46位T | 岩井 千怜 | -5 | |
46位T | 笹生 優花 | -5 | |
予選通過 | 武田 玲央 | -4以上 | (詳細順位確認中) |
予選通過 | 西村 優菜 | -4以上 | (詳細順位確認中) |
予選通過 | 渋野 日向子 | -4以上 | (詳細順位確認中) |
予選通過 | 山下 美夢有 | -4以上 | (詳細順位確認中) |
予選落ち | 西郷 真央 | – |
※順位、スコアは2025年3月29日時点のものです。
世界トップランカーたちの現在地
世界ランキング上位者が集う今大会。リリア・ヴ、ネリー・コルダ、ジーノ・チティクルがトップグループを形成する一方、他のトップランカーたちも上位をうかがっています。
世界ランク3位のリディア・コ (Lydia Ko)は、畑岡、岩井(明)らと同じく通算9アンダーの9位タイ。メジャーチャンプのアリセン・コープス (Allisen Corpuz)、韓国の実力者キム・ヒョージュ (Kim Hyo-joo)も同順位につけています。
その他、ユ・ヘラン (Ryu Hae-ran)は17位タイ、エンジェル・イン (Angel Yin)は25位タイ、エイミー・ヤン (Amy Yang)は35位タイで決勝ラウンドに進んでいます。
週末への展望 – 熾烈な優勝争いと注目ポイント
決勝ラウンドは、さらにスコアの伸ばし合いとなる可能性が高いでしょう。単独首位のリリア・ヴが逃げ切るのか、それともネリー・コルダ、ジーノ・チティクルら実力者が逆転するのか。目が離せない展開が予想されます。
日本勢では、好位置につける古江彩佳のプレーに注目が集まります。畑岡奈紗、岩井明愛のさらなる浮上、そして予選を通過した他の日本人選手たちの活躍も期待されます。
アリゾナの青空の下、誰が栄冠を掴むのか。残り2日間の戦いに注目です。