
男子プロゴルフ界の統合に向けた、PGAツアーとサウジアラビアの政府系ファンド「PIF」との交渉が、新たな局面を迎えています。ESPNの報道によると、PGAツアーのジェイ・モナハン会長、タイガー・ウッズ選手、アダム・スコット選手らが、ワシントンD.C.でホワイトハウス関係者と会談し、合意に向けた連邦政府の支援を要請するとのことです。
統合交渉の現状と課題
PGAツアーとPIFの交渉は、2023年初頭から続けられてきました。同年6月6日には、両者の事業統合に向けた枠組み合意が発表され、12月31日を最終期限として交渉が進められてきました。しかし、20ヶ月が経過した現在も、最終合意には至っていません。
この間、PIFが出資するLIVゴルフは、PGAツアーから有力選手を引き抜き、両者の対立は深まっています。また、米国司法省の反トラスト部門が、サウジアラビアの投資について審査を行っていることも、交渉の長期化の一因となっています。
PGAツアーの新たな動き

PGAツアーは、この間に営利部門である「PGAツアーエンタープライズ」を設立。スポーツチームのオーナーや経営者らで構成される「ストラテジック・スポーツ・グループ(SSG)」から、15億ドルの出資を受けました。
タイガー・ウッズの発言

先週末、CBSで放送された2025年ジェネシス招待の際に、タイガー・ウッズは、両者の交渉が「非常に前向きな状況」にあると示唆しました。
モナハン会長の見解
モナハン会長は、「最終合意に至るまで、油断はできない」としながらも、「全てが順調に進んでおり、関係者全員が合意に向けて熱意を持っている」と述べています。
会談の参加者と目的
今回の会談には、PGAツアーの選手理事を務めるウッズ選手とスコット選手、そしてモナハン会長が参加。The Athleticによると、トランプ前大統領とPIFのヤシル・アル・ルマイヤン総裁も参加する予定です。
PGAツアーの代表者3名は、最近トランプ前大統領と会談したり、ゴルフを共にしたりしており、ゴルフへの造詣が深いトランプ前大統領が、交渉を後押ししてくれることを期待しているようです。
交渉の焦点:PGAツアーの求めるもの

PGAツアーエンタープライズは、PIFから15億ドルの投資を求めています。その目的は、男子ゴルフ界の統合と、トップ選手たちが年間を通して同じトーナメントでプレーできる環境を整えることです。
LIVゴルフの今後
PIFが全面的に出資するLIVゴルフの具体的な扱いについては、まだ明らかになっていません。しかし、PIFは、LIVゴルフが何らかの形で存続することを強く主張しています。
交渉の進捗状況
項目 | 詳細 |
交渉開始時期 | 2023年初頭 |
枠組み合意 | 2023年6月6日 |
当初の最終期限 | 2023年12月31日 |
PGAツアーの動き | PGAツアーエンタープライズ設立、SSGから15億ドルの出資 |
PIFの求めるもの | PGAツアーエンタープライズへの15億ドルの投資、LIVゴルフの存続 |
課題 | LIVゴルフの扱い、米国司法省の審査、PGAツアーとLIVゴルフ間の対立 |
直近の動き | ホワイトハウスでの会談(PGAツアー代表者、トランプ前大統領、PIF総裁ら参加) |
今後の展望
PGAツアーとPIFの統合交渉は、長期間にわたって続いていますが、今回のホワイトハウスでの会談が、交渉の大きな転換点となる可能性があります。男子ゴルフ界の未来を左右する重要な交渉の行方に、引き続き注目が集まります。